詩と詩人

GLOSSARY

自由詩(Free Verse)

じゆうし

詩の形式

定型の韻律や押韻構成に従わず、行分け・反復・音の流れを詩人が組み立てる詩。

自由詩(Free Verse)とは

自由詩は、一定の韻律の型に縛られない詩です。反復や行分け、声の長短などが、その詩のリズムをつくります。どこで行を切るか、同じ語をいつ繰り返すか。声に出してみると、それぞれの選び方が聞こえてきます。

似た形式とどう違う?

定型詩は、たとえば韻律の型を前提にします。無韻詩(blank verse)は韻を踏まなくても、弱強五歩格などの一定の韻律を保つ形式です。自由詩は、その固定の拍子も必須にしません。散文詩は散文の段落のように組まれる詩で、行分けを中心にリズムをつくる自由詩とは、見た目も作り方も区別できます。

ホイットマンの三行

ウォルト・ホイットマン『Leaves of Grass』「Song of Myself」より

Song of Myself

Walt Whitman

I celebrate myself, and sing myself,

And what I assume you shall assume,

For every atom belonging to me as good belongs to you.

日本語訳(当サイト)

日本語訳:筆者

私は自分を祝い、自分を歌う。

そして私が引き受けるものを、あなたも引き受けるだろう。

私に属する一つひとつの原子は、あなたにも同じように属するのだから。

myself と assume がそれぞれ繰り返され、二行目には「私」に続いて「あなた」が現れます。三行目では、そのつながりが一つひとつの原子にまで広がります。長さの違う三行を、行末で軽く区切って読んでみてください。反復と行分けが、考えを少しずつ押し広げるように感じられます。

英詩の一定の拍子をまず確かめたいときは、弱強五歩格の入門も手がかりになります。自由詩を読むときは、型がないことを探すより、反復・行分け・声の長短がどんな秩序をつくるかを聴いてみてください。