GLOSSARY
擬人法(Personification)
ぎじんほう
修辞・技法人間以外のものに、人の行為・感情・意志を与えて表す修辞技法。
擬人法(Personification)とは
擬人法は、人ではないものに、人のすることや気持ちを与える書き方です。事実を説明するためというより、自然や物との関係を、読者の目の前で動かすために使われます。大げさに人格を与えなくても、「誰が、どんなふうに振る舞うか」を想像できれば、擬人法の入口になります。
身近な例で見分ける
例文(筆者作成):「風が窓をたたき、帰っておいでと急かしている。」風に「急かす」という人の行為と意図を与えています。
比較用の例文(筆者作成):「風が強く、窓が鳴っている。」こちらは風と窓の物理的な様子を述べています。人の感情や意志は加わっていません。
キーツが描く秋
ジョン・キーツ「To Autumn(秋に寄せるオード)」より
To Autumn
John Keats
Sometimes whoever seeks abroad may find
Thee sitting careless on a granary floor,
Thy hair soft-lifted by the winnowing wind;
日本語訳(当サイト)
日本語訳:筆者
外へ探しに出る者なら、ときには見つけるだろう。
納屋の床に、あなたが無造作に腰を下ろしているのを。
その髪を、穀物をあおる風がそっと持ち上げているのを。
ここで「あなた」と呼ばれるのは秋です。秋が納屋に腰を下ろし、髪を風に揺らす人物として描かれます。sitting(座っている)と hair(髪)が、その姿をつくっています。収穫の季節を人の姿に重ねることで、働く手がふと休まったような、のどかな場面になります。
読むときは、自然物や物に対して「何をしている?」「どんな気持ちに見える?」と尋ねてみてください。答えが人の動詞や感情になるなら、擬人法かもしれません。キーツの生涯と作品の入口は、ジョン・キーツの紹介も参照してください。