ウィリアム・シェイクスピア概要
生涯
ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare, 1564–1616)は、イングランド中部ストラトフォード・アポン・エイヴォンに生まれました。ロンドンで俳優・劇作家として活躍し、37篇の戯曲を残しています。1593年のペストによる劇場閉鎖を機に詩作に本格的に取り組み、長詩『ヴィーナスとアドニス』をパトロンのサウサンプトン伯爵に献呈しました。晩年は故郷に戻り、1616年に52歳で没しました。
詩の特徴
シェイクスピアの詩は、ABAB CDCD EFEF GGという独自の韻律形式(シェイクスピア型ソネット)によって知られています。ペトラルカ型ソネットを発展させたこの形式は、三つの四行連と最後の二行連(カプレット)で構成され、最終二行で鮮やかな転回を見せます。新語の創造や大胆な比喩による言語革新、美・時間・死・愛といった普遍的テーマの探究を通じて、英語の表現力を飛躍的に拡張しました。
代表作
- 『ソネット集』(Sonnets, 1609)
全154篇からなるソネット集です。前半(1–126番)は「美しき青年」への友愛と献身、後半(127–154番)は「ダーク・レディ」への情熱と苦悩を主題としています。時間の破壊力に対する詩の永遠性という主題が全篇を貫いており、英語詩の最高傑作の一つとされています。
- 『ヴィーナスとアドニス』(Venus and Adonis, 1593)
シェイクスピア最初の出版作品であり、オウィディウスの『変身物語』に基づく物語詩です。美の女神ヴィーナスと美少年アドニスの悲劇的な恋を六行連で綴っています。出版と同時に大きな人気を博しました。
- 『ルクリースの凌辱』(The Rape of Lucrece, 1594)
古代ローマのルクレティア伝説に基づく長詩です。前作の軽快さとは対照的に、暴力と名誉、道徳的苦悩を重厚な筆致で描いています。
影響
シェイクスピアの詩はキーツやワーズワースなどロマン派の詩人に深い影響を与え、さらにT・S・エリオットやW・H・オーデンら20世紀の詩人にまで受け継がれました。「人間の感情のあらゆる色合い」を言葉に変えた詩人として、世界文学史に不動の地位を占めています。
代表作
- ソネット集 (Sonnets) 1609年
- ヴィーナスとアドニス (Venus and Adonis) 1593年
- ルクリースの凌辱 (The Rape of Lucrece) 1594年